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中古住宅の屋根に「前の塗装」が残っているときの注意点

こんにちは、板橋区・練馬区で屋根工事・外壁塗装を行っている大谷建装工業です。

中古住宅を購入して屋根を確認すると、以前の所有者が屋根塗装をしていることがあります。

一見すると塗装されていてきれいなので、

「前の人が塗装しているなら、しばらく屋根は大丈夫そう」

「色が残っているから、まだ塗り替えなくてもいい?」

と思うかもしれません。

しかし、中古住宅の屋根では、「塗装されている」という事実だけで屋根の状態を判断しないことが重要です。

前回いつ塗装したのか。

どの塗料を使用したのか。

塗装前にどのような補修をしたのか。

そもそも、その屋根材が塗装に適した種類だったのか。

中古住宅ではこうした情報が分からないことも珍しくありません。

さらに、屋根塗装で新しくなるのは主に屋根材表面の塗膜です。

屋根材そのものや、その下にある防水シート、野地板などが塗装によって新しくなるわけではありません。

中古住宅で「前の塗装」が残っているときに確認したいポイント

  • 前回いつ塗装したのか
  • 使用した塗料や施工業者が分かるか
  • 既存塗膜に剥がれ・膨れがないか
  • 屋根材に割れ・反り・欠けがないか
  • 屋根材の商品・種類が分かるか
  • 過去に雨漏りや部分補修をしていないか
  • 屋根塗装以外の工事履歴がないか

この記事では、中古住宅の屋根に以前の塗装が残っている場合に、どこを確認すればよいのか、再塗装・部分補修・カバー工法などを考える際の注意点を詳しく解説します。


この記事は専門家が監修しています

大谷建装工業株式会社 代表取締役 大谷 雄二

監修者:大谷建装工業株式会社 代表取締役
大谷 雄二

東京都板橋区・練馬区・豊島区エリアを中心に、
外壁塗装・屋根工事・雨漏り修理を手がける地域密着の専門業者。

長年にわたり住宅メンテナンスの現場に携わり、
戸建住宅・公共施設の修繕工事を多数監修。

本記事は、実際の施工経験および専門的知見をもとに
内容確認・監修を行っています。

▶ 保有資格
・1級建築塗装作業技能士
・1級建築施工管理技士
・有機溶剤作業主任者

※記事内容は監修者による確認を経て公開しています。


「塗装してある屋根=状態が良い」とは限らない

中古住宅の屋根を見ると、塗装されていることで安心感を持つことがあります。

確かに、適切な時期に適切な方法で塗装され、その後の状態も良好であればプラス材料になります。

しかし、見た目がきれいだからといって、屋根全体の状態が良好とは限りません。

屋根塗装の主な役割は、塗装可能な屋根材の表面を保護することです。

塗装によって、屋根材の割れた部分が新品になるわけではありません。

また、既存の防水シートや野地板が交換されるわけでもありません。

中古住宅の屋根では、「塗装されているか」ではなく、「現在の屋根材・塗膜・板金などがどのような状態なのか」を確認することが大切です。

注意点① 前回いつ塗装したのか分からない

中古住宅でよくあるのが、屋根塗装をした形跡はあるものの、施工時期が分からないケースです。

前の所有者から詳しい資料を引き継いでいなければ、

  • 3年前に塗装したのか
  • 8年前なのか
  • 10年以上前なのか

分からないことがあります。

この場合、塗膜の見た目だけから正確な施工時期を特定するのは困難です。

日当たりや使用塗料、屋根の方角、周辺環境などによって劣化速度が異なるからです。

施工時期が分からない場合は、無理に「何年前の塗装か」を推測するより、現在の状態を確認することを優先します。

前回の塗装時期が分からなくても、現在の塗膜や屋根材の状態から次のメンテナンスを考えることはできます。

注意点② どんな塗料が使われているのか分からない

前回の施工資料が残っていなければ、使用された塗料も分からないことがあります。

屋根塗料にはさまざまな種類があり、既存塗膜との相性を考えながら次の塗装仕様を決める必要があります。

既存塗膜の種類が分からない場合でも再塗装できることはありますが、現在の塗膜状態を確認したうえで、下塗り材や施工方法を選定することが重要です。

特に既存塗膜が弱くなっている場合、その上から新しい塗料を塗っても、古い塗膜ごと剥離することがあります。

そのため、再塗装では「新しく使う塗料」だけでなく、その下に残っている旧塗膜が健全かどうかも重要になります。

注意点③ 古い塗膜の剥がれや膨れを確認する

中古住宅の屋根を再塗装するときに特に確認したいのが、既存塗膜の密着状態です。

次のような症状がないか確認します。

  • 塗膜がペラペラと剥がれている
  • 一部分だけ大きく浮いている
  • 塗膜に膨れがある
  • 下の色が広範囲に見えている
  • 過去の塗膜が何層にも剥離している

こうした状態では、単純に上から新しい塗料を重ねるだけでは十分な密着が得られない場合があります。

弱くなった塗膜を適切に除去し、下地を整えてから施工する必要があります。

注意点④ 塗膜の下で屋根材が傷んでいることもある

屋根の色が比較的きれいに残っていても、屋根材自体に不具合がないとは限りません。

特にスレート屋根では、

  • ひび割れ
  • 欠け
  • 反り
  • 浮き
  • 層状の剥離

などがないか確認します。

屋根塗装は屋根材表面の保護には役立ちますが、割れた屋根材を元の強度へ戻したり、大きく反った屋根材を元通りにしたりする工事ではありません。

「塗膜が残っているか」と「屋根材が健全か」は別々に確認する必要があります。

注意点⑤ 塗装前の補修内容が分からない

以前の屋根塗装で、どのような下地補修を行ったのか分からないこともあります。

たとえばスレート屋根であれば、塗装前にひび割れを補修している可能性があります。

棟板金の釘やビスを補修していることもあります。

中古住宅では、こうした補修跡が複数残っていることがあります。

補修跡があること自体は問題ではありません。

重要なのは、

  • 補修した場所が現在も健全か
  • 同じ場所に再び割れが出ていないか
  • 別の場所にも不具合が増えていないか

という点です。

過去の補修箇所が多く、さらに別の場所でも劣化が増えている場合は、屋根全体の経年劣化を考える必要があります。

注意点⑥ 縁切りが適切に行われているか

スレート屋根を塗装するときは、屋根材同士の重なり部分にある排水経路を確保することが重要です。

塗装によって必要な隙間まで塗料で塞いでしまうと、屋根材の下へ入り込んだ雨水が排出されにくくなる場合があります。

そのため、屋根の種類や既存の隙間などに応じて、縁切りやタスペーサーなどによって必要な排水経路を確保します。

中古住宅では前回の塗装状況が分からないため、屋根材の重なり部分が不自然に塗料で塞がれていないかも確認したいポイントです。

スレート屋根は、隙間をすべて塞げば雨に強くなるわけではありません。雨水を外へ排出するために必要な隙間があります。

注意点⑦ そもそも塗装に適さない屋根材ではないか

中古住宅では、現在使われている屋根材の商品名まで引き継がれていないことがあります。

ここで注意したいのが、スレート屋根の中には塗装によるメンテナンスに適さない製品があることです。

代表的なものとしてパミールがあります。

パミールは経年によって屋根材自体が層状に剥離することがあり、塗装しても屋根材そのものの劣化を止めることはできません。

過去に一度塗装されているからといって、「塗装できる屋根材だった」とは限らない点に注意が必要です。

中古住宅では、前回の工事方法をそのまま正解と考えず、現在の屋根材の商品・種類を確認したうえで次の工事方法を判断することが大切です。

注意点⑧ 防水シートは塗装では新しくならない

中古住宅の屋根で特に忘れやすいのが、屋根材の下にある防水シートです。

一般的な屋根では、表面の屋根材が雨水の大部分を外へ流し、その下の防水シートが二次的な防水層として建物内部への浸水を防ぎます。

屋根塗装を行っても、この既存防水シートが交換されるわけではありません。

たとえば築年数が進んでいる住宅で、数年前に屋根塗装だけをしていた場合、

「塗装してからの年数」と「屋根そのものが施工されてからの年数」は別です。

屋根表面が比較的きれいでも、防水シートは新築時から使用されている可能性があります。

中古住宅では「前回の塗装時期」だけでなく、「屋根自体がいつ施工されたものなのか」を確認できると、今後のメンテナンスを考えやすくなります。

防水シートや野地板は屋根表面から完全には確認できない

屋根材の下にある防水シートや野地板は、通常の屋根表面からの目視点検だけですべての状態を直接確認できるものではありません。

そのため、

  • 築年数
  • 過去の雨漏り履歴
  • 屋根工事の履歴
  • 屋根裏から確認できる雨染み
  • 必要に応じた部分的な調査

などを組み合わせて判断します。

特に中古住宅では、それまでの維持管理状況が分からないこともあるため、「見えている屋根表面だけですべて問題なし」と判断しないことが大切です。

前の塗装が残っている屋根を再塗装できる?

既存塗膜が残っていても、屋根材と塗膜の状態が良好であれば再塗装できる場合があります。

ただし、まず次のような状態を確認します。

屋根の状態 考え方
色あせが中心 再塗装を検討できる場合がある
苔・汚れがある 洗浄後の塗膜・屋根材状態を確認
旧塗膜の剥がれが多い 下地処理と再塗装可否を慎重に判断
割れ・反りが多い 塗装以外の方法も検討
屋根材が層状に剥離 屋根材を特定し、カバー工法・葺き替えなどを検討

「前回も塗装してあるから今回も塗装」という決め方ではなく、現在の状態から判断します。

前の塗装が何層も残っている場合

中古住宅では、過去に複数回屋根塗装を行っていることもあります。

この場合、新しい塗膜だけを見るのではなく、その下にある古い塗膜の状態も重要です。

塗装は下地へしっかり密着していることが前提です。

たとえば、下側の古い塗膜が弱くなっている状態で、その上へ新しい塗料を施工すると、新しい塗膜そのものがしっかり密着していても、古い塗膜ごと剥がれる可能性があります。

塗装回数が多い屋根ほど、「もう一度塗れるか」だけではなく、「既存塗膜を含めた下地全体が再塗装に適しているか」を確認する必要があります。

中古住宅では過去の部分補修跡にも注目

屋根を確認すると、色や形が少し違うスレートがあったり、補修材を使用した跡が見つかったりすることがあります。

こうした補修跡がある場合は、

  • なぜ補修したのか
  • いつ補修したのか
  • その後再発していないか

を確認できると理想的です。

特に屋根全体へ補修跡が点在している場合は、以前から屋根材の割れが複数発生していた可能性があります。

現在も別の場所へ割れが増えているのであれば、再塗装よりカバー工法などを検討した方がよいケースもあります。

過去に雨漏りしていなかったか確認する

中古住宅では、以前の所有者が雨漏り補修をしていることもあります。

可能であれば、売買時の資料やリフォーム履歴などから確認してみましょう。

室内では、

  • 天井のシミ
  • クロスの部分的な張り替え
  • 屋根裏の雨染み
  • 木部の変色

などが過去の雨水浸入を考える手がかりになる場合があります。

ただし、シミがあるから現在も雨漏りしているとは限りません。

逆に、シミがないから過去に一度も雨漏りしていないとも断定できません。

気になる場合は、屋根表面だけではなく屋根裏なども含めて確認します。

中古住宅で確認したい屋根の工事履歴

可能であれば、以前の所有者や売買時の資料から次の情報を探してみましょう。

  • 屋根塗装をした年月
  • 施工した業者
  • 使用した塗料
  • 施工前後の写真
  • スレートの補修・交換履歴
  • 棟板金の交換履歴
  • 雨漏り補修履歴
  • カバー工法や葺き替えをしていないか

見積書、契約書、保証書、工事報告書などが残っていれば、今後のメンテナンスを判断するうえで有力な資料になります。

資料が見つからなくても、現在の状態を点検することで次の工事方法を考えることは可能です。

塗装・部分補修・カバー工法をどう判断する?

中古住宅の屋根では、前回の塗装が残っているから再塗装、という単純な判断ではなく、現在の屋根状態に合わせて工事方法を選びます。

主な状態 検討する方法
塗膜劣化が中心・屋根材は健全 再塗装
数枚程度の局所的な破損 部分補修+必要に応じて塗装
割れ・反りなどが広範囲 カバー工法などを検討
塗装に適さない屋根材 カバー工法・葺き替えを検討
下地の傷みが大きい 葺き替えなどを検討

カバー工法が可能かどうかについても、既存屋根の種類や野地板などの状態、建物条件を確認して判断する必要があります。

中古住宅の屋根点検チェックリスト

  • □ 屋根材の商品・種類が分かるか
  • □ 前回の塗装時期が分かるか
  • □ 使用塗料が分かるか
  • □ 塗膜に剥がれ・膨れがないか
  • □ 色あせが極端に進んでいないか
  • □ 屋根材に割れ・欠けがないか
  • □ スレートに反りや浮きがないか
  • □ 屋根材が層状に剥がれていないか
  • □ 棟板金や谷板金に不具合がないか
  • □ 補修跡が多数ないか
  • □ 雨漏り履歴がないか
  • □ 屋根裏に雨染みがないか

すべての情報がそろっていなくても問題ありません。

分かる範囲の工事履歴と現在の状態を組み合わせて考えることが重要です。

自分で屋根へ上って確認する必要はない

中古住宅を購入すると、自分でも細かく建物を確認したくなるものです。

しかし、屋根の状態を確認するために自分で屋根へ上るのは避けましょう。

屋根は滑りやすく、転落事故の危険があります。

また、経年劣化したスレート屋根では、歩いたことで屋根材を割ってしまうこともあります。

自分で確認する場合は、地上や安全な窓・ベランダなどから見える範囲にとどめ、詳しい状態は専門業者による点検で確認する方法が安全です。

よくある質問

Q.中古住宅の屋根が塗装済みなら、しばらくメンテナンス不要ですか?

塗装済みというだけでは判断できません。施工時期、塗膜の状態、屋根材の割れや反り、過去の補修履歴などを確認して判断します。

Q.前回いつ塗装したか分からなくても再塗装できますか?

現在の塗膜と屋根材の状態を確認したうえで、再塗装できる場合があります。施工時期が不明だから必ず塗装できないということではありません。

Q.以前使った塗料が分からない場合はどうしますか?

既存塗膜の密着状態などを確認し、必要な下地処理や下塗り材を検討します。旧塗膜の状態が悪い場合は、単純な塗り重ねが適さないこともあります。

Q.前の所有者が塗装しているなら、屋根材は塗装できる種類ですか?

必ずしもそうとは限りません。過去に不適切な塗装が行われている可能性もあるため、屋根材の商品・種類を改めて確認することが大切です。

Q.塗装がきれいなら防水シートも大丈夫ですか?

塗膜の状態だけで防水シートの状態を判断することはできません。防水シートは屋根材の下にあるため、築年数や工事履歴、雨漏り履歴、必要に応じた屋根裏などの確認から総合的に判断します。

Q.古い塗膜の上からそのまま塗れますか?

既存塗膜が健全であれば再塗装できる場合がありますが、剥がれや浮きがある場合は適切な下地処理が必要です。既存塗膜の状態を確認せず、そのまま重ね塗りするのは避けるべきです。

Q.中古住宅を購入したら一度屋根点検をした方がよいですか?

屋根の施工時期や過去のメンテナンス履歴が分からない場合は、現在の状態を把握しておくと今後の維持管理計画を立てやすくなります。

まとめ

中古住宅の屋根に以前の塗装が残っていても、「塗装してあるから大丈夫」と判断するのは早い場合があります。

屋根塗装で新しくなるのは主に表面の塗膜であり、屋根材そのものや既存の防水シート、野地板まで新しくなるわけではありません。

また、中古住宅では前回の施工時期、使用塗料、補修内容などが分からないこともあります。

「前の塗装」が残っている中古住宅で確認したいこと

  • 前回の塗装時期・施工内容
  • 既存塗膜の剥がれや膨れ
  • 屋根材の割れ・反り・欠け
  • 屋根材の商品・種類
  • 過去の部分補修履歴
  • 雨漏り履歴
  • 築年数と屋根自体の施工時期
  • 防水シートなど見えない部分の経年も考慮する

特に大切なのは、「前回塗装したから今回も塗装」と自動的に決めないことです。

塗膜の劣化が中心で屋根材が健全なら再塗装が適している場合があります。

一方で、割れや反りが広範囲にある場合、補修箇所が増えている場合、塗装に適さない屋根材だった場合などは、カバー工法や葺き替えを検討することもあります。

中古住宅は、新築時から自分でメンテナンス履歴を把握している住宅とは違い、屋根の「過去」が分からないことがあります。

だからこそ、見た目のきれいさだけではなく、「何が施工されていて、現在どのような状態なのか」を一度整理することが、その後の屋根メンテナンスを考える第一歩です。

大谷建装工業では現地調査・お見積りを無料で行っておりますので、お気軽にご相談ください。

公共事業にも積極的に取り組んでおり、令和7年度において区内優良建設事業者に選ばれました。

優良建設事業者 褒章 賞状 褒状 賞状

直近10年間で、令和2年と令和7年の2度、褒章されております。

また、大谷建装工業では現地調査を行った後に、カラーシュミレーションにて施工後のイメージをお伝えすることも可能です。

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それではまた。

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